ボチボチ小作日記

この日記は フィクションです

父と買物

珍しく娘と二人で歩いてるから頑張っちゃったのか、或いは消費衝動まっしぐらだったのか、おそらく後者だが、えらく前のめりでせかせか不安定に歩く父。が、それでも遅い。歩くのがやたらと速い人だったんだが、年かね。病み上がりだからかね。

歩調を合わせているのを悟られないように小股になって腹筋やら背筋やらをクイクイさせながらエクササイズ気分で歩く。まあ、おそらく悟られる心配は無いんだが。

売り場では商品担当の人に来てもらって説明してもらうが、ほぼ、聞いてない。で、即決。私があれこれ質問すると「そうか?でもいいや」で決意は動きそうに無い。

「何処が気に入ったの」「うん?いいや、これで。これでいいだろ」

これで、良いのか、これが、良いのか。「イカの告白回覧板」歌っちゃうぞ。

まあこれでいいんだわね。反対意見は特にございません。好きにして。

年を取ったな。と思う半面、一時より可愛くなっちゃったな、とも思う。誰でも通らなければいけない道だとしても、我が家にだけは来ないで欲しい。天然わがままマイペースで良いからずっとこのままで居て欲しい。

もうすぐ父の誕生日。今年、父は祖父の行年を越える。

 

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